[データ]
“あくまのてまりうた”
[監督] 市川崑
[原作] 横溝正史
[脚本] 久里子亭
[撮影] 長谷川清
[音楽] 村井邦彦
[出演] 石坂浩二、岸恵子、仁科明子、草笛光子、北公次、高橋洋子、山岡久乃、林美智子、渡辺美佐子、加藤武、大滝秀治、中村伸郎、岡本信人、永島暎子、永野裕紀子、白石加代子、三木のり平、辰巳柳太郎、若山富三郎
[評価] ★★★★☆
[あらすじ]
昭和27年、岡山県鬼首(おにこべ)村。金田一耕助は県警の磯川警部との待ち合わせで亀の湯に逗留する。ある時、宿の共同浴場で多々良放庵という老人と出会い、右手が不自由なので手紙を代筆してほしいと頼まれる。昔逃げた女房・おはんの復縁を請う手紙の返事で、それを承諾する内容だった。
同じ頃、亀の湯の女将・りかの許に、仁礼(にれ)家の当主・嘉平が訪れる。仁礼家は村の二大勢力の一つ。娘・文子とりかの息子・歌名雄との縁談の話だった。当の歌名雄はもう一方の勢力・由良家の娘・泰子と付き合っていたが、りかは結婚はまだ早い、と、どちらとの結婚にも反対していた。
その夜磯川警部が着き、金田一に20年前の事件の捜査を依頼する。昭和6年、村に恩田という男が現れ、モール作りの機械を売り歩く。が、半年後、機械を売り切ると仕事は来なくなり、皆大損害を被る。恩田は詐欺師だったのだ。その一ヶ月前、りかは、夫・青池源治郎とともに亀の湯を継ぐ為に帰郷していた。源治郎は怒って恩田の許へ。しかし逆に殺されてしまう。後頭部を殴られ、顔は焼かれて見分けがつかないほどだった。その後恩田は逃亡。事件は迷宮入りとなるが、磯川は単身調べ続けてきたのだ。
早速金田一は、恩田の定宿へ聞き込みに出向く。その途中、峠でおはんと名乗る老婆とすれ違う。放庵の元女房だ。が、宿の女将・いとはその話を聞いて真っ青になる。おはんは昨年亡くなったというのだ。驚いた金田一は放庵の家へ。が、もぬけの殻。床には吐血のあとが残されており、トリカブトの毒が検出される。
同じ頃、東京で歌手として成功した別所千恵が帰郷していた。千恵は母・春江が恩田と関係してできた娘だ。旧友たちが集い再会を喜ぶ中、来るはずの由良泰子はとうとう来ず、翌日、滝で死体となって発見される。死体のそばには、仁礼家の紋の入ったじょうごと枡が置かれていた。
県警から出動した立花警部はまず仁礼家を疑う。しかし皆アリバイがあった。そんな中、金田一は、由良家の老隠居から驚くべき手毬唄を聞く。「三羽の雀が云うことにゃ .. 枡屋の娘 .. 上ばみ娘 .. 枡で量ってじょうごで飲んで .. 日がな一日酒びたり .. それでも足らずに殺された」 枡屋は由良家の屋号。泰子は手毬唄になぞらえて殺されたのだ ・・・。