映画十撰 : 「THE JUON/呪怨」(2004年/アメリカ・日本・ドイツ/98分)

映画/ドラマのレビュー、映画に関するコラムやエッセイを綴っています
2008-12 « 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 » 2009-02
最新コメント
[10/24 摂田寛二]
[08/06 きゃらめる]
[04/18 江古田のヨッシー]
[04/06 江古田のヨッシー]
[04/05 江古田のヨッシー]

「THE JUON/呪怨」(2004年/アメリカ・日本・ドイツ/98分)

[データ]
「THE JUON/呪怨」
“The Grudge”
[監督] 清水崇
[原作] 清水崇 “JU-ON: The Grudge”
[脚本] スティーヴン・サスコ
[撮影] 山本英夫
[音楽] クリストファー・ヤング
[出演] サラ・ミシェル・ゲラー、ジェイソン・ベア、ウィリアム・メイポーザー、クレア・デュヴァル、ケイディー・ストリックランド、グレイス・ザブリスキー、ビル・プルマン、ローザ・ブラシ、テッド・ライミ、石橋凌、真木よう子
[評価] ★★★☆☆
 
[あらすじ]
 ボランティアのヘルパー洋子が、訪問介護のためウィリアムズ一家の住む一軒家を訪れる。主マシューの母エマは寝たきりだった。その日、洋子が二階へ上がると押入れから物音が。音をたどってさらに屋根裏へ上がる。が、そこで何者かに襲われてしまう。
 交換留学生カレン・デイビスは、恋人ダグとともに日本の大学に通っていた。ある日、ケア・センターのアレックスから、エマの訪問介護をしてほしいと頼まれる。担当の洋子が行方不明だというのだ。カレンはエマの家に向かい、放置されたままのエマを発見。二階へ上がると押入れから猫の声。なぜか目張りがしてあり、はがして開けると、そこには子供が監禁されていた。その子供はトシオと名乗り無事な様子。が、エマの部屋に戻ると、そこで、恐ろしい影がエマを襲うところを目撃してしまう。
 その数日前、マシューとジェニファーのウィリアムズ夫妻は日本に転勤が決まり家を探していた。一緒に住む母のエマとすでにマンション暮らしをしている妹のスーザンも一緒だ。一家は不動産会社の鈴木が薦める一軒家に決める。が、エマはなぜか二階が気になる様子であった。ある時ジェニファーが黒猫を見つけ二階へと追っていく。そしてその日の夜マシューが帰宅。二階で倒れている妻を発見する。
 アレックスがウィリアムズ家に行くとエマは危篤、カレンは放心状態だった。病院で意識を取り戻したカレンは、中川刑事からある家族写真を見せられる。それはまさにカレンが目撃したトシオだった。が、トシオは三年前の、あの家で起こった一家心中事件で亡くなっているはずだった ・・・。


[コメント]
 ビデオ版、劇場版、と来て日本のファンには三本目。劇場版を踏襲してアメリカ人向けにつくられたのが本作。さすがに日本のファンには小馴れた感があってややパワーダウンの印象を受けます。幽霊の登場もイメージ中心の描写となったせいでしょう。はっきりとした姿を映した日本版と一線を画しました。暗すぎる映像にもちょっと閉口。それでもカヤコのストーカー写真が判明するシーンでは鳥肌が立ってしまいます。また、サエキ一家の猟奇事件に焦点を当てるなど、かわりに現実感のある恐怖を浮き立たせたと言えるでしょうか。
 物語の舞台は日本。アメリカ人会計士一家が転勤のためある一軒家を借ります。そこは三年前、家族三人が亡くなる猟奇事件が起こった場所。まず、妻ジェニファー(クレア・デュヴァル)が、続いて夫マシュー(ウィリアム・メイポーザー)、さらにヘルパーの洋子(真木よう子)が怨念により殺されてしまいます。そしてよう子の後任ヘルパー、カレン(サラ・ミシェル・ゲラー)もまた怨霊の姿を目撃。恐怖の連鎖は次々と拡大していくというわけです。
 本作は構成も劇場版と同様。説明なく時間が遡る構成で、わかりやすさを好むアメリカの観客はちょっと見るのに苦労したのではないでしょうか。まあ、要らぬ心配ではありますが、恐怖感を高めるための長い間も独特なもので、しかも多用しているとあって緩慢に映りゃあしないか? 海外ファンにどのように受け入れられたかは気になるところです。
 やがてカレンは、中川刑事(石橋凌)と知り合ったことがきっかけで、一連の事件の発端が、かつて同じ家で起こった一家心中であることを知ります。ここで劇場版にはなかった、アメリカ人大学教授ピーター(ビル・プルマン)が登場。怨霊と化したサエキカヤコが恐ろしいストーカーであったことが明らかとなるのです。幽霊のシーンより、このサエキ一家の事件の再現場面の方が怖いかもしれません。
 作中、カレンやジェニファーの口からは異郷の文化の中で暮らす不安が語られるシーンがあります。未知の存在への恐怖を高める心理面での配慮をしているのがわかります。そして恐怖の中心に「目」を置いている点も注目されます。お前を見ているぞ、的な怖さは十分に描出されているのではないでしょうか。いずれにせよ、日本版が霊の姿をはっきりと写し、ハリウッド版がイメージに重きを置いた点は通常なら逆。新恐怖感覚の創造に対する工夫の表れなのでしょう。清水監督の思い入れの深さ、エンターテイメント精神の高さすらうかがい知ることができます。
 まあ、島国根性ですが、日本の俳優陣で石橋凌が刑事役で好演しているのがうれしいところ。すでに海外作品での経験もあり貫禄十分といった感があります。それはさておき、日本のファンにとっては評価は難しいところで、すでにビデオ版や劇場版に触れたファンにとっては新鮮味は希薄ではないのでしょうか。一方、アメリカ人向けということを考えれば安定味のあるジャパニーズ・ホラーと呼べます。個人的には、アメリカ人スタッフでの製作ならともかく日本と同じスタッフで製作するなら、オリジナリティをもっと出してほしかったところです。

[関連ページ]
「呪怨 劇場版」 (シリーズ第1作。奥菜恵・伊藤美咲主演)
「呪怨2」 (シリーズ第2作。酒井法子主演)


<この記事にコメントする>
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
 
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ブログ内検索
インフォメーション
プロフィール
HN:もりじょう
HP:ささら庵
性別:男性
一言:映画好きなおっさんです。管理人の他のサイトへもどうぞ。
バーコード
Copyright (C)映画十撰 All Rights Reserved. | ブログパーツ | 忍者ブログ