[データ]
[監督] 清水崇
[脚本] 清水崇
[撮影] 喜久村徳章
[音楽] 佐藤史朗
[出演] 酒井法子、新山千春、堀江慶、市川由衣、斎藤歩、山本恵美、黒石えりか、水木薫、結城しのぶ、藤貴子、尾関優哉、葛山信吾
[評価] ★★★☆☆
[あらすじ]
ある夜、ホラー・クイーンと呼ばれる女優・原瀬京子は、仕事を終え、婚約者の将志の車で帰途につく。しかしその途中、ハンドルの下に子供の姿を見て悲鳴を上げる。すると子供はハンドルをつかんで運転を誤らせ、車は大破。将志は植物人間となり、京子もお腹の中にいた子供を流産してしまう。
その後、映画の撮影現場。エキストラの女子高生・千春がいきなり叫び出し、京子のお腹を凝視して失神してしまう。気になった京子が産婦人科で診てもらうと、流産したはずの子供が順調に育っていると言われて驚愕する。そんな中、家では一緒に住んでいた母が、突然奇怪な死を遂げてしまう。
事故の少し前。TVレポーターの三浦朋香は、自宅マンションで異音に悩まされていた。それは、毎夜12時半ごろ、壁の中から聞こえてくる衝撃音だった。そんなある日、朋香は、ゲストに京子を迎え、何人もが怪死を遂げた呪われた家のロケに訪れる。そしてその夜のこと。帰宅した朋香は、恋人の典孝が首を吊って死んでいるのを発見するのだった。
その頃、メイク担当の大林恵は、メイク室で後始末をしていた。その時、部屋の奥に気配を感じる。行ってみると、そこではかつらがひとりでに動いていた。
数日後、ディレクターの大国圭介は、呪われた家のロケの日、京子が事故に遭ったと知り驚く。あの日以来、朋香、恵、カメラマンや録音係も連絡が取れなくなっていたのだ。不審に思って呪われた家を調べた圭介は、昔住んでいた佐伯剛雄が妻・伽椰子を惨殺し自殺、さらに6歳の息子・俊雄が行方不明であることを知る。そして京子は、圭介からその時の記事を見せられて戦慄する。将志の車で見た子供が俊雄にそっくりだったのだ ・・・。
[コメント]
怖さの醸成に特化して大ヒットを記録した「呪怨」の続編。ストーリーに連続性はなく、呪われた家をめぐる恐怖と言うのが共通項となっています。物語は、主人公・京子(酒井法子)の交通事故のプロローグに始まり、「京子」、「朋香」、「恵」、「圭介」、「千春」、「伽耶子」、そしてエピローグから成っています。ただし、タイトルと内容にさほど厳密な連携があるわけではなく、それよりは時系列の区切りといった感じ。時間があちこちに跳ぶこの構成はやはり見にくさは否めません。結果として雑然としたイメージを与えてしまっているような気がします。
序盤から怖い霊を見せ付けるのは前作と同じ。京子が子供の霊・俊雄のせいで交通事故に遭い流産。が、その後、流産したはずの子供が順調に育っているというおぞましい事実が分ります。すべては、事故の日に行われた呪われた家のロケに起因していました。ロケ後、レポーターの朋香(新山千春)と典孝(堀江慶)は奇怪な首吊り自殺。メイクの恵(山本恵美)は悲鳴とともに煙のように消え、京子の母(水木薫)も突然死。京子に関わってしまったエキストラの女子高生・千春(市川由衣)も謎の死を遂げてしまうのです。
番組を担当するディレクター・圭介(葛山信吾)は呪いの家のことを調べ始め、やがて伽耶子と俊雄の霊の恐怖を悟るに至ります。そしてその恐怖は、京子の出産というおぞましいモチーフでピークを迎えることになるわけです。ここまで様々な形で現れる伽耶子と俊雄。この恐怖にはなかなか慣れません。一方では主人公を中心としたストーリーにしたせいか、心理的に同化するシーンが増えたようです。
しかし、シンプルな表現でシンプルに怖さを追求した前作に較べ、イメージ表現が増え、一方では不条理度が増して分りにくくもなっています。特に一連の終盤は整合性が希薄な展開。それまでパズルのような整合性を誇ってきただけに、違和感の残るラストのような気がします。同じモチーフでありながら、その点では「似て非なるもの」といったところ。それでも随処に新たな恐怖感を生み出してもいます。より気持ち悪さを強調し、一方では相変わらずの怖さを創出しているのは、やはり清水監督の腕のヨサと呼べます。
[関連ページ]
「呪怨 劇場版」 (シリーズ第1作。奥菜恵・伊藤美咲主演)
「THE JUON」 (ハリウッド版「呪怨」。監督は清水崇)