映画十撰 : 2008年04月

映画/ドラマのレビュー、映画に関するコラムやエッセイを綴っています
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「鳥」(1963年/アメリカ/119分)

[データ]
「鳥」
“The Birds”
[監督] アルフレッド・ヒッチコック
[原作] ダフネ・デュ・モーリア
[脚本] エヴァン・ハンター
[撮影] ロバート・バークス
[音楽] (電子音制作・作曲) レミ・ガスマン、オスカー・サラ
(サウンド・コンサルタント) バーナード・ハーマン
[出演] ロッド・テイラー、ジェシカ・タンディ、スザンヌ・プレシェット、ティッピ・ヘドレン、ベロニカ・カートライト、エセル・グリフィス、チャールズ・マッグロー、ドリーン・ラング
[評価] ★★★★☆
 
[あらすじ]
 サンフランシスコ。メラニー・ダニエルズは注文していた九官鳥を受け取りにペットショップへ足を運ぶ。そこで、娘の誕生日に贈るインコを見に来たという男から店員に間違えられる。いたずら心から店員に扮して接客するが、男は意地悪な質問ばかり。実はその男、ミッチ・ブレナーは弁護士で、以前悪ふざけが災いして裁判沙汰を起こした事のあるメラニーを見知っていたのだ。結局インコはいなかったため手ぶらで帰っていったミッチだが、メラニーには再びいたずら心が湧きあがる。そしてインコを注文すると翌日受け取り、ミッチの家があるボデガ湾へと向かう。
 家の前に黙ってインコを置くと、そのまま帰るつもりだったメラニーだったが、途中のボートで不意に一羽のカモメに襲われる。メラニーに気付いたミッチが気付いて助け上げると、けがはごく軽いものだった。ミッチはインコの礼にと、翌日の娘キャシーの誕生パーティに招き、メラニーは、ミッチと懇意の小学校教師アン・ヘイワースの家に泊めてもらうことになる。
 そして翌日。子供たちがパーティに集まり庭で遊んでいると、突如鳥の群れが襲ってくる。ミッチとメラニーは慌てて子供たちを中に入れ事なきを得るが、その夜、今度は家の煙突からスズメの大群が侵入。やっとことで追い払う。さらに次の日には、ミッチの母リディアが、鳥に襲われたあとの知り合いの家を発見。中には無惨にも目をつつかれて息絶えていた友人の姿があった。それを聞いて不安になったメラニーはキャシーの小学校へ様子を見に行くことに。すると、その校庭には大量のカラスが集まっていた ・・・。

「泥棒成金」(1955年/アメリカ/106分)

[データ]
「泥棒成金」
“To Catch a Thief”
[監督] アルフレッド・ヒッチコック
[原作] デビッド・ドッジ
[脚本] ジョン・マイケル・ヘイズ
[撮影] ロバート・バークス
[音楽] リン・マーレイ
[出演] ケイリー・グラント、グレース・ケリー、ジェシー・ロイス・ランディス、ジョン・ウィリアムズ、シャルル・ヴァネル、ブリジット・オーベール、ジャン・マルティネリ、ジェルジェット・アニス
[評価] ★★★☆☆
 
[あらすじ]
 フランス、リビエラ。宝石泥棒が続発。警察は一人の男をマークしていた。男の名はジョン・ロビー。郊外に邸宅を構え優雅な暮らしをしているが、かつては「キャット」と異名をとる怪盗だった。今回の事件は、屋根伝いに侵入・逃走する手口がキャットのものと酷似。ルビック警部はロビーに目をつけたのだ。
 警察はロビー邸へ殺到。しかし隙を見てロビーは逃走する。そして戦争中レジスタンスの仲間だったベルタニの店へ向かう。しかし仲間だった店員たちは、ロビーを犯人だと思っており、険悪な雰囲気だった。ベルタニも疑っていたが、ロビーは引退後15年盗みはしていないと説明。自分でニセモノを捕まえると告げる。が、ここにも警察が到着。ロビーはベルタニの部下フサールの娘・ダニエルの手引きで、警察の追跡を逃れるのだった。
 ほどなく、ロイド保険のヒューソンなる男がロビーに接触してくる。ヒューソンは一連の盗難事件で莫大な被害を被っていた。ロビーは真犯人を捕まえれば損失を取り戻せる、と半信半疑のヒューソンを説得。リビエラに滞在している金持ちのリストをヒューソンから入手する。そしてロビーは、偽キャットは、高価な宝石を持つアメリカ人・スティーブンス母娘を必ず狙うと確信。翌日、オレゴンの材木商・バーンズと名乗り、偶然を装ってスティーブンス夫人とその娘フランセスと知り合うことに成功する。
 ほどなくロビーは、二人とすっかり親密となり、ある日、フランセスとデートをすることに。が、途中、フランセスが無邪気に言い放つ。バーンズは怪盗キャットだ、と。聡明なフランセスは細々とした推理を積み重ね、ロビーの正体を見破っていたのだ ・・・。

「北北西に進路を取れ」(1959年/アメリカ/137分)

[データ]
「北北西に進路を取れ」
“North By Northwest”
[監督] アルフレッド・ヒッチコック
[脚本] アーネスト・リーマン
[撮影] ロバート・バークス
[音楽] バーナード・ハーマン
[出演] ケイリー・グラント、エヴァ・マリー・セイント、ジェームズ・メイソン、ジェシー・ロイス・ランディス、レオ・G・キャロル、ジョセフィン・ハッチンスン、フィリップ・オーバー、マーティン・ランドー
[評価] ★★★★★
 
[あらすじ]
 ニューヨーク。広告代理店を営むロジャー・ソーンヒルは、仕事で出向いていたホテルで、いきなり二人の男に拉致される。連れて行かれたのは郊外の屋敷。そこでタウンゼンドと名乗る男が現れ、ロジャーをキャプランと呼び、知っていることを白状するように脅迫される。どうやらキャプランという男と人違いをしていることが分るが、誤解は解けず、一味はロジャーに無理やり酒を飲ませ、車を運転させて崖から落として処分しようと試みる。
 が、途中で警察が見つけて逮捕。命拾いをする。翌日には警察と共にタウンゼンド邸へ。しかし見知らぬ女性が出てきてタウンゼンドは国連に行っていると証言。ロジャーは単身国連に潜入する。ところが現れたタウンゼンドは屋敷で見た人物とは別人。しかも目の前でナイフで殺されてしまい、ロジャーが殺人犯として追われる羽目になってしまう。
 そこでロジャーは本物のキャプランを追おうと決意。次の行き先がシカゴであることを突き止めて列車へと飛び乗る。が、警察もそのあとを追い列車へ。ロジャーは窮地に陥るが、乗り合わせていたイヴ・ケンドールという女性に匿われる。
 美しいイヴにたちまち惹かれるロジャー。が、実はイヴは、偽タウンゼンドことヴァンダムなるスパイの愛人だった。イヴはキャプランからと偽り待ち合わせ場所をロジャーに教える。そうとは知らないロジャーはキャプランに会いに行くべくバスに乗り込む。そこは、プレイリーという畑しかない停留所だった ・・・。

「病院坂の首縊りの家」(1979年/日本/139分)

[データ]
「病院坂の首縊りの家」
“びょういんざかのくびくくりのいえ”
[監督] 市川崑
[原作] 横溝正史
[脚本] 日高真也、久里子亭
[撮影] 長谷川清
[音楽] 田辺信一
[出演] 石坂浩二、佐久間良子、草刈正雄、桜田淳子、入江たか子、加藤武、草笛光子、白石加代子、三条美紀、萩尾みどり、ピーター、中井貴恵、大滝秀治、岡本信人、小沢栄太郎、清水紘治、小林昭二、常田富士男、久富惟晴、あおい輝彦
[評価] ★★★☆☆
 
[あらすじ]
 昭和26年、吉野。金田一耕助は渡米すべくパスポート写真を撮りに本條写真館を訪れる。すると、写真館の主・徳兵衛から、自分を狙っている者がいるから調べて欲しいと頼まれる。その夜、写真館に出張撮影を頼みに女性が尋ねてくる。徳兵衛の息子・直吉が指示通り廃墟同然の法眼病院へ。そこで花婿と花嫁だけの不思議な結婚記念写真を撮らされる。二人の前にはなぜか風鈴が吊り下げられていた。が、翌夜、再度撮影依頼が入り、金田一と弟子の黙太郎と共に赴くと、そこには花婿の生首が吊り下げられていた。
 ほどなくして現場から逃げる吉沢という男が捕らえられる。さらに現場には呼ばれた建物の持ち主・法眼弥生と一族の田辺光枝・五十嵐滋親子。被害者を知る者はいなかったが、結婚写真の花嫁は弥生の娘・由香利にそっくり。しかし弥生は由香利ではないと証言。間もなくその由香里も現場に訪れる。
 一方、吉沢の口から、被害者が同じジャズバンドの山内敏男であることが分る。敏男は腹違いの妹・小雪と結婚しようとしていたらしい。吉沢は仕事を休んだ敏男を探していだけだという。そして敏男と小雪が住処にしている空きガレージ行ってみると大量の血痕が。しかし小雪は見つからず、行方不明であった。
 担当の等々力警部が小雪を追う一方、金田一は五年前、同じ場所で起きた首吊り自殺を調べ始める。首を吊ったのは山内冬子。冬子は小雪の実母、山内敏男にとっての養母であることを突き止める。そんな中、小雪から警察へ手紙が届く。殺人を自白し、自殺するとの内容だった。筆跡はバンドのメンバーが確認し事件解決かと思われた。が、金田一は偽造ではと疑う。そして金田一の推理通り、手紙には指紋がまったく付いていなかった ・・・。

「女王蜂」(1978年/日本/139分)

[データ]
「女王蜂」
[監督] 市川崑
[原作] 横溝正史
[脚本] 日高真也、桂千穂、市川崑
[撮影] 長谷川清
[音楽] 田辺信一
[出演] 石坂浩二、岸恵子、司葉子、高峰三枝子、中井貴恵、沖雅也、草笛光子、坂口良子、萩尾みどり、加藤武、神山繁、小林昭二、大滝秀治、白石加代子、三木のり平、伴淳三郎、仲代達矢
[評価] ★★★☆☆
 
[あらすじ]
 昭和7年、伊豆・月琴の里。源頼朝の末裔と言われる大道寺家の研究のため、大学生の速水銀三と日下部仁志が訪れる。そして三ヶ月の間に仁志と琴絵は愛し合うようになり婚約。仁志は祖母ゆかりの指輪を琴絵に贈る。が、琴絵は、住所すら教えない仁志に不審を抱く。さら突然仁志が婚約解消を言い出したため口論に。やがて唐の間には頭を殴られた仁志の死体が。しかし何者かにより死体は近くの崖下に運ばれ、転落事故として事件は終わる。
 昭和11年。銀三が大道寺家を訪れ琴絵に求婚。婿養子に入り大道寺銀三となる。この時琴絵には仁志との間にできた娘・智子がいた。そして昭和27年。琴絵はすでに病死。銀三は京都で事業に成功し、蔦代という公認の妾と住んでいた。一方智子は伊豆で家庭教師の神尾と暮らす。神尾は琴絵の代からの家庭教師であった。
 ある日、智子は時計室で遊佐の撲殺死体を発見する。遊佐は、智子の三人の求婚者の一人だった。部屋には、昨日知り合ったばかりの謎の男・多門連太郎も潜んでいて、無実を訴えると逃げていく。
 早速、静岡県警から等々力主任が出張り捜査を開始。多門を追う。そこに、京都の加納弁護士の依頼で金田一がやって来る。加納は銀三とも親交があった。ほどなく、加納に調査を依頼した謎の人物と、銀三の元には同じ文面の手紙が届いていたことがわかる。"智子が京都に来れば血が流れる ... 智子に言い寄る者は命が危ない"、という警告文だった。智子は19歳で京都に移ることになっており、今日は智子の誕生日。丁度銀三が智子を迎えに京都から来ていたところだ。
 一方金田一は19年前の事件を知る者が今回の犯人だと推理する。加納は、仁志が指輪を持っていなかったことに疑問を感じていた。死の直前、琴絵に指輪を返してもらっていたからだ。銀三もまた、仁志の死はおかしいともらす。仁志は植物採集で崖に行ったと言われるが、そんな趣味はなかったという。さらに捜査に加わっていた山本駐在も、宮内省から圧力がかかって捜査は中止になったと回想。金田一は仁志の正体に鍵があると考えて探り始める。
 そんな中、京都の蔦代から銀三に連絡が入る。また警告状が届いたというのだ。銀三に智子、神尾、そして等々力と金田一も急ぎ京都へと向かうのだったが ・・・。

「獄門島」(1977年/日本/141分)

[データ]
「獄門島」
“ごくもんとう”
[監督] 市川崑
[原作] 横溝正史
[脚本] 久里子亭(くりすてぃ)
[撮影] 長谷川清
[音楽] 田辺信一
[出演] 石坂浩二、司葉子、大原麗子、草笛光子、太地喜和子、坂口良子、浅野ゆう子、加藤武、大滝秀治、松村達雄、上條恒彦、ピーター、内藤武敏、稲葉義男、三木のり平、東野英治郎、佐分利信
[評価] ★★★★☆
 
[あらすじ]
 昭和21年。金田一耕助は友人の天宮から依頼を受け、瀬戸内海に浮かぶ小島・獄門島へと向かう。天宮は復員船の中で、戦友・鬼頭千万太(ちまた)の死を看取る。そして「自分が死ねば三人の妹が殺される。獄門島に行って助けてくれ」と遺言を受ける。しかし天宮は病気で行けず金田一に頼んだのだった。
 金田一は途中、島の了然(りょうねん)和尚や村長に出会い、千万太が継ぐ筈だった島の網元・本鬼頭へ導かれる。折しも傷痍軍人が来て、本鬼頭の分家・一(ひとし)の復員を伝えて帰ったばかり。本鬼頭を切り盛りしている一の妹・早苗の表情も曇る。一と早苗は早くに両親を亡くし本鬼頭に引き取られて育った。が、千万太の三人の妹、月代・雪枝・花子のはしゃぐ様子に金田一は驚く。どうやら知恵遅れのようだ。さらに座敷牢には数年前に発狂した当主・与三松が閉じ込められていた。もうひとり、家政婦の勝野は、そんな異常な家を献身的に支えていた。
 そこに分鬼頭の巴が訪ねて来る。分鬼頭は本家から独立して網元となった家だ。野心的な巴はかねてから本鬼頭の乗っ取りを画策していた。島に居ついた復員兵・鵜飼をあやつり、本鬼頭の娘を口説かせていたのだ。千万太が死んだ今、妹の婿となる者が本鬼頭の跡継ぎだった。
 その夜、千万太の通夜で花子がいなくなり騒ぎになる。そして千光寺の境内で、逆さ吊りで殺されている姿が発見される。花子は鵜飼からの恋文を持っていた。しかしそれは月代に宛てたものだった。花子がひそかに盗んだのだ。鵜飼は月代が来るはずが花子が来たため、隠れ帰ったと言う。一方、庫裏の鍵が壊され、軍人靴の跡が発見される。
 すると島の駐在・清水巡査はよそ者の金田一を疑い、強引に留置してしまう。しかし翌日、今度は雪枝がいなくなる。そして天狗の鼻と呼ばれる岬で、釣鐘の中で死んでいるのが発見される。県警から出張って来た等々力警部は、島に逃げ込んだ海賊の犯行とにらみ山狩りを開始。一方の金田一は、分鬼頭の当主・儀兵衛に会っていた。そこで、亡くなっている三人姉妹の母・お小夜に関する驚くべき話を耳にする ・・・。

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