映画十撰 : 黒澤明

映画/ドラマのレビュー、映画に関するコラムやエッセイを綴っています
2008-12 « 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 » 2009-02
最新コメント
[10/24 摂田寛二]
[08/06 きゃらめる]
[04/18 江古田のヨッシー]
[04/06 江古田のヨッシー]
[04/05 江古田のヨッシー]

「天国と地獄」(1963年/日本/143分)

[データ]
「天国と地獄」
[監督] 黒澤明
[原作] エド・マクベイン
[脚色] 小国英雄、菊島隆三、久板栄二郎、黒澤明
[撮影] 中井朝一、斎藤孝雄
[音楽] 佐藤勝
[出演] 三船敏郎、香川京子、江木俊夫、佐田豊、島津雅彦、仲代達矢、石山健二郎、木村功、加藤武、三橋達也、伊藤雄之助、中村伸郎、田崎潤、志村喬、藤田進、土屋嘉男、三井弘次、千秋実、北村和夫、山崎努
[評価] ★★★★☆
 
[あらすじ]
 町を見下ろす大邸宅。家の主、ナショナルシューズの役員・権藤は、職人気質で、質を下げて安物を大量生産しようとする他の役員たちと対立していた。対立は深刻で、いまや、会社の実権を握るか、それとも追い出されるか瀬戸際の状態。しかし家財を担保に三千万の金策に成功し、株を買い集め、筆頭株主にのし上がるめどが立ちつつあった。
 が、そんな時、子供を誘拐したとの電話が入る。驚き狼狽する権藤だったが、息子の純はすぐに家に帰ってきた。いたずらかと安心した矢先、お抱え運転手・青木の息子・進一が見つからないことが明らかになる。犯人は間違って子供を誘拐してしまったのだ。
 権藤は早速警察に連絡。戸倉をはじめとする刑事たちがひそかに家に入る。ほどなく犯人から連絡が。犯人も人違いと気付いた様子。ところが、犯人は、かまわず三千万の身代金を要求してきたのだった。しかし権藤には払えない事情がある。株を買うための三千万を払ってしまえば、権藤は会社を追い出された上に破産をしてしまうのだ。
 権藤は良心とのはざ間で悩む。そしてついに、三千万円を犯人に払う決断を下す。やがて犯人から指示を伝える電話が入る。「新幹線のこだま号に乗れ」 指示通りこだまに乗る権藤。戸倉たちも、万全の体制でこだまに同乗して張り込む。しかし、そんな刑事たちを尻目に、犯人は、驚くべき方法で現金を奪お去ってしまう。
 間もなくして、進一は犯人の約束どおり無事な姿で帰ってくる。一方、捜査は難航していた。そんな中、他人の子供の身代金を払った権藤を、マスコミが大きく取り上げ、同情が集まる。しかしナショナルシューズは世論を無視して権藤を解任。ついに破産に追い込まれ、家と家財道具は競売にかけられることになってしまう。そんな権藤を見て、一層怒りと憎しみを燃やす刑事たち。さらに運転手の青木も。責任を感じてみずから必死で手がかりを探そうと奔走していた。
 やがて、それぞれの執念が実り、犯人の足取りが徐々に明らかになる。そして、ついに進一の監禁場所が判明する。が、家に踏み込んだ刑事たちが見たものは、犯人の遺体だった ・・・。

「七人の侍」(1954年/日本/207分)

[データ]
「七人の侍」
[監督] 黒澤明
[脚本] 黒澤明, 橋本忍, 小国英雄
[撮影] 中井朝一
[音楽] 早坂文雄
[出演] 志村喬、三船敏郎、津島恵子、島崎雪子、藤原釜足、加東大介、木村功、千秋実、宮口精二、小杉義男、左卜全、稲葉義男、土屋嘉男、高堂国典
[評価] ★★★★★
 
[あらすじ]
 ある山あいの小さな農村に野武士たちが迫る。が、村の様子を見た野武士たちは、秋の実りの時期を待って襲った方が良いと言って戻って行く。農民たちはそれを漏れ聞いて、怯える。野武士たちは去年の秋も村を襲っていたのだ。すると長老は、腹をすかせた武士を飯で雇えば良いと言い出す。そして村人四人が選ばれ、浪人探しに町へと下りて行く。
 しかし、飯だけで雇える浪人などはいなかった。やがて四人は困窮。諦めかけた時、勘兵衛という一人の老武士を見かける。その時勘兵衛は、子供を盾に納屋に逃げ込んだ盗人にでくわし、鮮やかに切って捨てて去っていくところだった。農民たちは後を追い、必至で頼み込む。最初は断る勘兵衛だったが、事情を聞くうち、ついには情にほだされて引き受ける決意をする。
 まずは侍七人が必要と見て、勘兵衛は探し始める。やはり盗人退治を見て心酔して弟子入りした勝四郎が勘兵衛を手伝う。しかし勝四郎はまだ前髪も取れておらず、勘兵衛に連れて行く気はなかった。やがて、参謀格の五郎兵衛が参加。続いて、かつて同じ主家に使えていた女房役の七郎次。明るく人の良い平八。寡黙な剣客・久蔵。最後は、半人前の無法な乱暴者だが、根は優しげな元農民の男。名前を捨てたとうそぶくため、盗んできた家系図にあった名前、菊千代と呼ばれることになる。
 その頃、村では、侍が来れば娘を取られると噂が広がり、恐れた万蔵が娘・志乃の髪を切って男に化けさせてしまう。これがきっかけで村人たちは侍たちを恐れ、家に閉じこもるようになる。そこに七人の侍が到着。静まり返った村の様子に驚く。が、菊千代の機転で、何とか村人たちは気持ちを変えて協力するようになってゆく。ほどなく農民たちは、勘兵衛指示に従い、柵をつくり、竹槍を手にする。この時、そんな備えを固めつつある村に、野武士四十騎が迫りつつあった ・・・。

「どん底」(1957年/日本/137分)

[データ]
「どん底」
[監督] 黒澤明
[原作] ゴーリキイ『どん底』
[脚本] 小国英雄、黒澤明
[撮影] 山崎市雄
[音楽] 佐藤勝
[出演] 三船敏郎、山田五十鈴、香川京子、中村鴈治郎、千秋実、藤原釜足、根岸明美、清川虹子、三井弘次、東野英治郎、田中春男、三好栄子、左卜全、渡辺篤、上田吉二郎、藤木悠、藤田山
[評価] ★★★☆☆
 
[あらすじ]
 江戸時代。そこは回りを土手に囲まれた小さな長屋だった。その中に一軒のあばら家がる。中ではどん底にまで落ちた人間たちが住み暮らす。昔は旗本だったとうそぶく“御前”、飴売りのお滝、鋳掛け屋の留吉と余命いくばくもない女房、夢想に耽る夜鷹のおせん、年中五臓六腑を酒毒に侵されたと嘆く“役者”。他にも、賭博師の喜三郎、桶職人の辰、二人の駕篭かきに下駄職人の卯之吉、そして隣には盗人の捨吉が住み、さらに下っ引きの島造が遊びに出入をする。にぎやかだが皆自分のことで手一杯。いつかここを抜け出そうと考えるものばかりだった。
 ある日、長屋に嘉平という遍路姿の老人が泊まりに来る。老人は様々な話で、長屋の住人たちを潤った気持ちにさせ、将来の希望を感じさせてゆく。その一人、鋳掛け屋の女房は死ねば苦しみがなくなると聞いて安堵し、役者は病を治す気力を取り戻しつつあった。喜三郎や辰たちは嘉平をうそつき呼ばわりするが、強く責める気にはならず、かえってどこか穏やかな気分になるのだった。
 ほどなく、あばら家に大家の女房・お杉がやって来る。お杉のねらいは捨吉で、誘惑しては主人を殺すようそそのかすが、捨吉の方はお杉の妹・おかよに執心。しかし当のおかよは無頼人の捨吉の気持ちを受け入れられないでいた。そこに大家の六兵衛が現れる。女房を罵り、捨吉につかみかかると、逆に捨吉が大家を殺しそうになる。が、そこで嘉平が声を上げて何とか事なきを得る。
 事情を察した嘉平は、捨吉にはお杉に関わるなと忠告し、おかよには捨吉とここを出て行くよう諭す。しかしおかよはなおも決心が付かない。そしてほどなくすると、大家の家から激しい悲鳴が聞こえてくる。おかよの声だった ・・・。

「羅生門」(1950年/日本/88分)

[データ]
「羅生門」
[監督] 黒澤明
[原作] 芥川龍之介
[脚本] 黒澤明 / 橋本忍
[撮影] 宮川一夫
[音楽] 早坂文雄
[出演] 三船敏郎、京マチ子、志村喬、森雅之、千秋実、上田吉二郎、本間文子、加東大介
[評価] ★★★★☆
 
[あらすじ]
 平安時代、京。朽ち果てた羅生門。検非違使所からの帰り道、みすぼらしい姿をした法師と木こりが雨宿りをしていたところ、一人の下人が駆け込んでくる。法師は言う。今日のような恐ろしい話しははじめてだ、と。下人が事情を聞くと、今度は木こりが話し出す。三日前、山へ薪切りに行ったところ、死体を見つけ役人に知らせたのだ、と。死んでいた男は、法師が以前見かけたことのある侍だった。そして、検非違使所で体験したのふしぎな出来事を、二人は話し始める。
 検非違使所の白州。二人が控えている中、検非違使の前に引き出されてきたのは、洛中を騒がしていた盗賊・多襄丸。三日前の午後、多襄丸の目の前を、一人の侍と芦下の馬に乗った妻が通りがかった。女に興味を抱いた多襄丸は、夫の侍を騙して連れ出すと縛り上げ、気にくくりつけてしまう。取って返し、今度は女を侍の前に連れて来て手ごめに。すると女は、どちらかに死んでほしい、生き残った方に添い遂げる、と言い出す。そして多襄丸は侍と対決して勝利する。が、女は逃げてしまったと言う。
 次に連れてこられたのは襲われた妻だった。しかし女は、盗賊とは違う話をはじめる。多襄丸は自分を手ごめにしたあと去って行き、夫に許しを請うも蔑みのまなざしでにらまれ、ついには耐え切れずに短刀を夫に突き刺してしまった、と言うのだ。
 次には巫女が呼ばれ、殺された侍の霊が降ろされる。すると侍の霊は、また違う話をはじめる。手ごめにされた妻が多襄丸に心を移したのを見て悲嘆し、自害したのだ、と。誰の話が真実なのか。しかし、実はもうひとり、一部始終を見ていた男が、そこにいた ・・・。

「生きる」(1952/日本/143分)

[データ]
「生きる」
[監督] 黒澤明
[脚本] 黒澤明、橋本忍、小国英雄
[撮影] 中井朝一
[音楽] 早坂文雄
[出演] 志村喬、日守新一、田中春男、千秋実、小田切みき、左卜全、山田巳之助、藤原釜足、小堀誠、金子信雄、中村伸郎、渡辺篤、木村功、清水将夫、伊藤雄之助
[評価] ★★★★☆
 
[あらすじ]
 ある市役所の市民課。そこに黒江町に住む女房たちが陳情にやって来る。下水が溢れて不衛生な上に蚊が大量発生して困っていると言う。そんな市民の声を聞くために新設された市民課だったが、課長の渡辺は他の課へ回してしまう。そして住民たちは、その後もあらゆる役所をたらいまわしにされる。
 ある日、その課長・渡辺勘治が珍しく欠勤する。30年間無欠勤直前という時だった。その日、渡辺は体調を崩して通院していた。診察前、隣にいた慢性胃炎の男から胃がんの話しを耳にする。医師は胃がんの患者には、手術の必要のない軽い胃かいようだと説明すると言うのだ。しかも、聞いていると自分の症状と似ている。そしていよいよ診察という時、医師から軽い胃かいようだと説明を受け、渡辺はみずからの余命を悟る。あと半年の命だった。
 妻を亡くしていた渡辺は一人息子・光男夫婦と暮らしていた。が、すっかりよそよそしくなっていて言い出せず、かといって役所にいく気にもなれず巷を徘徊する。死を迎えるのに、自分は人生で何もしてこなかったことに気付いたのだ。そんな時、ある飲み屋で一人の作家と出会う。ふと事情を打ち明けると、作家は人生を取り戻そうと夜の繁華街へと渡辺を案内する。が、渡辺の心は少しも癒されなかった。
 その翌日、課の事務員・小田桐とよが訪ねて来る。役所を辞めたので書類に課長の判子が必要だという。渡辺はそんなとよが、いつも明るく、生命感に溢れていたことに気付く。そして、自分にもまだできることがあると考える。渡辺の頭に浮かんだのは、黒江町の女房たちの陳情だった。空き地をを埋め立てて公園をつくる。そう決意した渡辺だったが ・・・。

「生きものの記録」(1955年/日本/113分)

[データ]
「生きものの記録」
[監督] 黒澤明
[脚本] 橋本忍、小国英雄、黒澤明
[撮影] 中井朝一
[音楽] 早坂文雄
[出演] 三船敏郎、志村喬、千秋実、清水将夫、三好栄子、青山京子、東郷晴子、千石規子、根岸明美、太刀川洋一、上田吉二郎、東野英治郎、佐田豊、藤原釜足
[評価] ★★★☆☆
 
[あらすじ]
 歯科医・原田は医師会からの要請で東京家庭裁判所の調停員を任せられていた。ある時、家裁に呼ばれていくと、ちょうど当事者同士が言い争っているところだった。家裁の荒木から共に調停に携わる弁護士会の堀を紹介され、早速申立の内容を聞くことになる。
 申立は中島を鉄工所を営む中島喜一の妻・とよからのもので、喜一を準禁治産者にしてほしいとのものだった。しかし、とよよりも強く訴えていたのは喜一の子供たち、一郎、二郎、よしとその家族であった。喜一は水爆に対する被害妄想が激しく、放射能を避けるためと称して秋田に土地を購入。地下シェルターを作り始めたのだが、秋田も危険だと悟ると工事を中止。今度は南米が安全だと言い始め、近親者を連れて移民する準備を進めているのだという。家族はこれ以上の無駄な散財を恐れて申立をしたのだった。
 原田たちは話し合いの間計画を進めないよう喜一を諭すが、喜一はブラジルで成功した日本人移民の老人と接触。土地購入の交渉を進める。その間、喜一が面倒を見ている二人の妾と、亡くなった妾の子にも南米行きを告げるが、彼らも内心は反対だ。一方原田は、喜一の言い分を聞いているうちに水爆の恐怖を実感し始めていた。しかし荒木と堀は、家族の申立を認める以外にないと判断。ところが、それでも喜一はあきらめず、禁じられている家の財産を持ち出し、ブラジルの老人に手付けを払いに行ってしまう ・・・。

HOME次のページ »
[1] [2] [3]
ブログ内検索
インフォメーション
プロフィール
HN:もりじょう
HP:ささら庵
性別:男性
一言:映画好きなおっさんです。管理人の他のサイトへもどうぞ。
バーコード
Copyright (C)映画十撰 All Rights Reserved. | ブログパーツ | 忍者ブログ